2013年7月29日月曜日

ill旅ゆめ気分

山梨県南部に位置する下部温泉は、古くより湯治場として栄え、武田信玄の隠し湯としても名高い名湯である。



身延線下部温泉駅を降りると、駅前にはいい具合にくたびれた土産屋とタバコ屋。まさにひなびた温泉街といった風情だけど、少し歩いても道にまったく人影がなく、これでは少々趣き深すぎるのではないかと思った矢先、目に入るのは老人ホームと病院、そして新興宗教の施設!濃密な死の匂い。ぽつりぽつりと雨も降ってきてジメジメと湿度も高く、不気味でした。あいかわらず誰もいない。



道沿いには潰れた店や廃墟もちらほらあって、オフシーズンとはいえさすがに静かすぎて怖くなってきた頃、下部川に架かる橋の向こう側に宿が見えてホッとした。


と、突然屋外スピーカーから大音量のノイズが流れだして、ビクッとする。あまりに怖い。しかしよくよく耳を凝らすとノイズの彼方に途切れ途切れで「夕焼け小焼け」が流れているのだった。17時!



泊まった宿の裕貴屋は、創業明治8年の老舗で、とてもすばらしかった。
ここの目玉は信玄公隠し湯の洞窟岩風呂。岩盤から湧き出た源泉そのまま、熱くなく冷たくもない低温泉は、この季節いつまでも入っていられるまさに極楽である。


いやー、極楽なんつって、これほんとに心地よすぎて全然出るタイミングがつかめず、ひたすらぬる湯(水?)の湯船でぷかぷかしていたのです。タイミング的にも自分以外に誰も入っていず完全貸し切り状態だったのも最高だった。
そのあまりの気持ちよさを「羊水」に例えたりもしてみたが、最終的には「神の泉」という全方位型の崇拝に落ち着いた。




「CDが売れますように」と私は神の泉に願った。

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